社労士試験の独学|選択式問題を解くコツ

まえがき

社会保険労務士試験(以下、社労士試験)の選択式問題を解くコツは、次の4つです。

  • 空欄を直感だけで埋めない
  • 自信のある空欄は先に解いてしまう
  • 解答に迷う空欄はグループ分けで解く
  • 解答のルールを事前に決めておく

選択式はシンプルな空欄補充の問題です。

そのため、択一式よりも試験問題と真正面から向き合うことになります。

試験テクニック云々よりも日頃の勉強で正確な知識を身につけることが大切です。

とはいえ、問題を解くコツはあるので以降、詳しく解説します。

参考|この記事を書いた人の成績はこちら

空欄は直感だけで埋めない

社労士試験の選択式問題は、文中の空欄を「選択肢の中の最も適切な語句」で埋める形式です。

つまり、正解の候補はすでに問題用紙に示されています。

分からない空欄を直感で埋めるのではなく、諦めないで正解の根拠を探します。

例えば、次のような方法があります(グループ分けについては以降で解説しています)

  • 意味は不明でもより自然な文章となるように語句を埋めてみる
  • 未知の語句も漢字から意味を推定し、文章の論点により一致するものを選ぶ
  • (以下、〇〇という)など、文中に略語の説明があれば、「〇〇」を含む選択肢は、文中の略語の説明よりも後の空欄のみを正解の候補とする
  • それぞれ語句の共通点を探しグループ分けする

ひらたくいうと、それっぽい筋道を立てて解答します。

語句には意味があるため、漢字から意味を推定して解く方法がシンプルでおすすめです。

話は少しそれますが、年金をあつかう法律でも、国民年金法と厚生年金保険法のように「保険」という漢字に違いがあります。

語句を注意深く読み、解答の糸口を探してみてください。

自信のある空欄は先に解き、無理にグループ分けをしない

誤解がないように前置きしますが、グループ分けは必要です。

空欄と選択肢を確認し、解ける問題はグループ分けする前に解いてしまいます。

例えば、次のような問題です。

例|グループ分けしなくとも解ける問題

厚生年金保険法における賞与とは(中略)労働者が労働の対象として受ける全てのもののうち、【 空欄 】受けるものをいう。

選択肢|【 空欄 】の候補

  • 2カ月を超える期間ごとに
  • 3カ月を超える期間ごとに
  • 4カ月を超える期間ごとに
  • 6カ月を超える期間ごとに

参照|厚生年金保険法第3条第1項第4号

これは過去に問われた論点です。

「厚年、賞与、3月超」のキーワードで解ける問題です。

空欄の候補はすべて「超える」で統一されているため、3カ月ごとに支払う賞与を含むか否かを判断しなくとも解けます。

このような、頻出論点までグループ分けして解く必要はありません。

むしろ、解答した空欄に対応する語句を除いてしまい、グループ分けの対象を一つでも減らしましょう。

グループ分けしない目安としては、語句や数字を瞬発的に当てはめて解答できる問題です。

テキストの赤字や太字の暗記で解ける問題といえるかもしれません。

解答に迷う空欄はグループ分けで解く

20の語句を4つの語句ごとの5つのグループに分けることを説明した図

通常、選択肢にある20の語句は「4つの語句 × 5グループ」に分類できます。

(初めから4つの語句に分類されている問題もあります)

先のような、暗記した語句や数字を瞬発的に当てはめ、解ける問題ばかりではありません。

与えられた語句と空欄を対応させて考えるためにも、各語句の論点をグループ分けします。

「グループ分け」は、暗記に頼りにくい「判例問題」や「統計・白書問題」を解くうえで効果的です。

グループ分けの例をいくつかあげてみます。

  • すでに解いた空欄に対応する語句をひとつのグループとする
  • メートル、日、額、率など共通する単位で分ける
  • 行政官庁をひとつのグループとする
  • グループ分けできない語句で一つのグループとする

意外とおすすめなのが、④グループ分けできない語句でグループを作る方法です。

空欄に語句を順番にあてはめて読み、正解の候補を徐々にしぼります。

解答までの過程を整理でき、やみくもに空欄を埋めるよりも手順が明確になるでしょう。

解答のルールを事前に決めておく

試験当日の負担を少しでも軽くするためにも、解答のルールを決めておきます。

本番形式でのシュミレーションとして、模試を受けるのも効果的です。

  • 試験問題を解く順序を事前に決めておく
  • 高得点よりも各科目3点以上を優先する

上記2つは私が実践したルールです。

それぞれ解説します。

科目ごとに解く順序を決めておく

どの科目から解いても構いませんが、事前に順番を決めておきましょう。

全ての科目に合格基準点が設定されるため、易しい難易度の科目に注力する必要はありません。

高得点よりも各科目3点以上を優先する

1周目

とりあえず全科目を1周し、分かる問題を解いてしまいます。

2周目

1周した結果、3点以上の確保が見込める科目はいったん置いときます。

見直しの時間を10分確保したうえで、残りの時間を3点に届かない科目に使います。

見直し

残り10分で全科目を見直します。

足きり回避のための試験戦略です。


まとめ

選択式は空欄を補充して文章を完成させるというシンプルな構造です。

それゆえ、分からない空欄を直感で埋めてしまう可能性があります。

しかし、語句や数字を瞬発的に当てはめて解答できる問題ばかりではありません。

解答に迷う際は、漢字から語句の意味を推定したり、グループ分けで語句を整理するなど、何かしらの筋道を立てる解き方を試してみてください。

また、試験問題に集中するためにも、模試などを活用し、解答する際のルールを事前に決めておきたいものです。

以上が、社労士試験の選択式問題を解くコツとなります。

当記事で紹介した独学方法が「唯一の正解」ではないため、「使えそうだな」というものを選んでアレンジし、社労士試験に合格して頂ければうれしいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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