この記事は、社会保険労務士試験(以下、社労士試験)の独学での勉強方法を解説しています。
当ブログの「社労士試験のロードマップ」の⑤に相当する内容です。
模試を受ける目的を明確にする
模試を受ける目的について、いくつか例を挙げてみます。
- 本試験を見越した時間配分のシュミレーションをする
- 全科目を横断した復習をする
- 受験のプロにあやかり、出題論点を予想する
まだまだありそうですが、この3つは当たらずとも遠からずのイメージでしょう。
当ブログに出題論点の予想をする力はないため、次の3つの視点で「模試」を解説します。
- 時間配分の仕方
- 本試験を見越した択一式・選択式の問題の解き方
- 科目を横断した復習方法
社労士試験の試験時間と時間配分
はじめに、試験の問題数と時間を簡単に説明します。
選択式 | 択一式 | |
科目数 | 8科目 | 7科目 |
問題数 | 8問 | 70問 |
配点 | 40点 | 70点 |
試験時間 | 80分 | 210分 |
日程 | 午前 | 午後 |
試験が午前と午後に分かれているため、お昼の過ごし方などもシュミレーションの対象となりそうです。
試験ごとの時間配分は概ね次のようになります。
選択式 | 択一式 | |
一問あたりの時間 | 10分 | 3分 |
一科目あたりの時間 | 10分 | 30分 |
時間の余裕(イメージ) | あり | なし |
時間を計って解いてみると分かりますが、選択式は比較的余裕があり、択一式は余裕がありません。
見直しは必要!&見直しの時間を事前に確保する
社労士試験は、全ての科目に合格基準点が設定されるため、1科目でも基準を満たさなければ不合格です。
勉強不足ならまだしも、ケアレスミスで合否を分けるのは勿体ないため、必ず見直しをしましょう。
(おそらく)択一式と比較すると時間に余裕が生まれます。しかしながら、途中で切り上げたりせず制限時間をフルに使います。
年度により変動はありますが、合格基準は各科目 5点満点中の3点以上です。
合否に与える「1点の影響」が大きいため、「見落とし」や「勘違い」はないか丁寧に確認します。
見直しの時間を30分確保します。
「時間が余れば見直し」ではなく、30分差し引いた180分で全問を解きます。
時間を先に捻出することで、試験当日の緊張状態のシュミレーションも兼ねています。
本試験を見越した択一式・選択式の問題の解き方
- 選択式は、解答を導く手順を身に付ける
- 択一式は、模試で難問・奇問をスルーする感覚を身につける
また、選択式・択一式ともに、解く科目の順番を決めておきます。
本試験は、緊張状態で「解答」という意思決定を連続するので、考えることを減らしておきましょう。
自信を持って3点以上確保した科目とそうではない科目に分けます。
足きり回避のためです。
- 判例問題は何が論点なのかを把握する
- 漢字から用語の意味を推定する
- 計算問題は、計算式を書くなどして過程を可視化する
「多分これ!」と答えを出す前に、何かもっともらしい根拠を探し、とにかく3点を確保します。
ケアレスミスの防止です。
文章のつながりに違和感を感じた部分は見直しの対象です。
ステップ3を終えて10分程度の時間が残っていれば、マークシートの記入漏れなどの見直しを十分おこなえます。
選択式問題の解き方を解説した記事です。選択式の点数が伸びないときは参考にしてみてください。
用語や数値に関する問題(例:機械の名前、具体的な数値、制度の変遷など)は、知らないと判断したらスルーして次の記述に進みます。
ポイントは、いかに悩まずにスルーできるかです。
〇とも✕とも判定しないでスルーです。
「スルー」という意味で△の目印を、記述の横に付けるのはOKです。
例えば、次のような問題は知らなければスルーの対象です
事業者は、労働者を常時就業させる室における「一般的な事務作業」を行う作業面の「照度」を、300ルクス以上に適合させなければならない。
「一般的な事務作業」であれば300ルクス以上です(事務所衛生基準規則第10条)
300は少ないかな……どのくらいがちょうどいいかな……以上かな超えてかな……は一切やりません。
論点である「300ルクス」をピンポイントで知らない以上は、考えても〇とも✕とも判断できません。
ちなみに、先ほどの例は、平成27年の過去問をベースに省令の改正に対応させたものです。
参考|厚生労働省HP|外部サイトへのリンク|省令改正案のポイント
合格するために全ての記述を攻略する必要はないため、問題の取捨選択で時間を捻出し、解けそうな問題に時間を集中させましょう。
ちなみに「事務室の照度を問う問題だから奇問!」ではないですからね。
択一式問題の解き方を解説した記事です。択一式の点数が伸びないときは参考にしてみてください。
模試を受けたら復習する
点数が良くとも必ず復習します。
復習の中心は初見の難問・奇問ではなく、テキストに載っているのに間違えた論点です。
社労士試験は相対的な位置で合否が決まる競争試験です。
つまり、基本事項を本試験で間違えると他の受験生に差をつけられる可能性が高まります。
そのため、苦手な分野は時間をかけてでも復習が必要です。
おすすめの復習方法は、制度や用語を誰かに説明するつもりで言語化することです。
言語化できない部分があれば、「自分の理解が不足しているため」と言えるでしょう。
模試を受けるまで勉強してきたテキストや問題集に戻り、知識を補ってください。
本番の試験では、問題を解いて点数を取らなければ合格できません。
「分かる」と「解ける」は異なるので、本番同様のアウトプットは大切です。
また、模試の段階で合格に届いていない人でも、本試験にピークを合わせてくるかもしれません。
自身の点数が良くても必ず復習し、本試験で他の受験者に遅れを取らないようにしてください。
以上が、模試を使った勉強方法の解説です。
模試を受ける頃は、精神的にも体力的にも疲労が蓄積される時期です。
スケジュール管理と体調管理に気をつけて、自身が納得できるようやり切ってください。
そして、できるだけポジティブなイメージをもって勉強をすすめて下さい。
陰ながら応援しています。
最後までお読みいただきありがとうございました。