私は、さまざまな資格試験に独学で合格してきましたが、文字の暗記が大の苦手です。
(正直、勉強に限らずもの覚えは良くはありません…)
そのため、時間をかけてでも用語の意味や考え方(概念)を理解するよう心がけています。
概念を理解する際には、専門用語の解説を自分の言葉に置き換えて、人に説明するように声に出しています。
この流れを記事にするにあたり、何か例はないか…とたどり着いたものが「ファインマンテクニック」です。
暗記ではなく物事を理解するために役立つ手法なため、暗記が苦手な方は是非ともお試しください。
ファインマンテクニックの概念
ファインマンテクニックとは、物理学者のリチャード・ファインマンが考案した、物事をより深く理解するための学習方法です。
そのため、何かを効率的に暗記する裏技ではありません。
専門用語などの難しい言葉を使わず、受け手の理解に任せなくとも、物事を人に説明できる状態を目指します。
ひらたくいうと、簡単に説明できるまで自分の理解を高めることです。
ファインマンテクニック4つのステップ
- 学びたいテーマを書き出す
- 子どもに教えるつもりで説明する
- 説明を見直し、自分が理解していない部分を学び直す
- 例え話などを交えてできるだけ単純な言葉でシンプルに伝える
「ファインマンテクニック」を実践するための手順は、4つのステップで整理しています。
このブログは独学をテーマにしているため、以降は「資格試験の独学」を例に説明します。
①|学びたいテーマを書き出す
これから学ぶテーマを白紙のノートに書き出します。
資格試験の独学であれば、参考書や問題集から「理解の浅い専門用語」、「繰り返し間違える論点」などを書き出します。
私は字が下手なので、デジタルのノートで例を紹介します。
学ぶテーマは、簿記検定試験で学習する「機会原価」の概念です。
②|子どもに教えるつもりで説明する
①で書き出したテーマの下に、そのテーマについて知っていることをすべて書き出します。
ただし、子どもに説明するような簡単な言葉をできるだけ使用してください。
資格試験の独学であれば、参考書の解説をコピーするのではなく、自分の言葉で平易な説明文を書き出します。
何歳の子どもを対象にするかは分かりませんが、想定する年齢が下がるほど説明の難易度は上がります。
機会原価は、特定の代替案を採用したときに、他の案を採用した場合に得られる最大の利益額となります。
また、過去に発生した原価は考慮しません。
子どもに説明するには、「利益」や「過去に発生した原価」にまだまだ工夫が必要そうです。
③|説明を見直し、自分が理解していない部分を学び直す
②で書き出した文章のなかに、分かりにくい部分や説明が足りていない部分があれば、そこを中心に復習します。
資格試験の独学であれば、自分の言葉では最後まで表現できなかったり、専門用語を用いないと説明できない部分を特定します。
特定できた部分は、自分でも理解が曖昧な部分です。
曖昧なために、暗記作業へ移行することもあるでしょう。
しかし、暗記したとしても、説明できない部分の理解は不足したままです。
そのため、参考書を読んだり、信頼できる情報源から調べるようにして知識を補完します。
概念を人に説明する難しさを実感し、日商簿記で勉強した内容を思い出したり、参考書を読んで復習しました。
④|例え話などを交えてできるだけ単純な言葉でシンプルに伝える
③の見直しが済んだら内容をひとつにまとめ、実際に声に出して説明します。
もちろん、説明する相手は子供を想定してください。
資格試験の独学であれば、専門用語や繰り返し間違える論点を自分の言葉で、例えば、ステップ1の自分自身に解説します。
自分の言葉で伝えることができれば、そこまで論理的に思考してきた過程も記憶に残っていることでしょう。
利益や原価という表現を除いて、子どもに考え方を教えるつもりでまとめました。
言葉を選ぶため、説明の難易度が上がります。
ここまでのとおり、ファインマンテクニックは「テクニック」といえど、特別な能力は必要ありません。
自分の分からない部分を特定し、単純な言葉で伝えられるまで理解を深める。
実際にやってみると難しいものの、考えを整理しながら自分の現状も把握できます。
なお、説明を単純化するあまり必要な情報がぬけ落ちていないかは、うまく説明できたときこそ確認しておきたいところです。
難しい概念の理解で行き詰まったときは、ファインマンテクニックのように、情報を書き出したり声に出して説明する手法を試してみて下さい。
独学が上手くいくことを願っています!