独学が続かない人は見て!スケジュールの立て方と管理のコツ

まえがき

「独学しようにもどうも長続きしない…」

そのような悩みを抱えている人へ、独学する際のスケジュールの立て方と管理方法について解説します。

この記事が、独学する際のヒントになればうれしいです。

進捗管理と意思決定

勉強する人

当ブログで紹介する独学のスケジュール管理方法は、PDCAサイクルとOODAループを併用しています。

ご存知かもしれませんが、PDCAサイクルとOODAループの説明を載せておきます。

PDCAサイクル

PDCA サイクルとは、「Plan(計画) ⇒ Do(実行) ⇒ Check(評価) ⇒ Action(改善)」という一連のプロセスを繰り返し行うことで、業務などの改善や効率化を図る考え方の一つです。

なお、PDCAを繰り返すことに固執すると、「PDCAを繰り返している目的」や「P(計画)から撤退すべきタイミング」などを見失う可能性もあります。

なにより、「PDCA時代遅れ」と言われることも少なくありません。

ただし、やりっぱなしではなく計画的に管理するため、独学にも応用できる手法です。

OODAループ

OODA(ウーダ)ループとは、アメリカ空軍のジョン・ボイド氏が提唱した意思決定の考え方です。

Observe(観察) ⇒ Orient(状況判断) ⇒ Decide(意思決定) ⇒ Act(行動)をループさせます。

独学は、スクールのように特定のカリキュラムに従うわけではないため、「やる」「やらない」の意思決定に適用させます。

資格試験の勉強は比較的長期間となるため、進捗管理はPDCAの流れを基本とします。

ただし、スケジュールの修正などの意思決定はOODAループで小さな単位を高速に回転させます。

「どちらが優れた手法か」ではなく、目的に合わせて併用します。

スケジュールの管理方法
スケジュールの管理方法

考え方をおおまかに整理すると次のようになります。

① 1週間程度の仮スケジュールを組む

② ①を実行(勉強)し、自分の実行力を計る

②の結果
⇒ 実行できたなら、DCAで管理しながら勉強を継続する(Pに戻らない)
⇒ 実行できないなら、①のスケジュールを修正してから勉強する(Pに戻らない)

勉強しながら計画を修正するスタイルです。そのため、最初のP(計画)のO(観察)には結構時間をかけたりします。

資格試験の勉強の際に実施しているルーティンです。

「で、効果は?」といいますと。

社会保険労務士試験や日商簿記1級に独学で合格するなど、一定の結果は出せています(合格証書などはこちら)。

勉強が必要な範囲と方法をイメージする

勉強が必要な範囲と方法は、次の2つを参考にしてください。

  • 試験の公式サイト
  • ブログなどの合格体験記

① 試験の公式サイト

試験の公式サイトでは、試験範囲や試験日など「試験」そのものの情報を確認します。

①を確認することにより、試験日までにこなす勉強量の目安が分かります。

ただし、公式サイトに合格法などのノウハウが公開されていることは稀なので、合格体験記などを参考にして独学のイメージをつくります。

② ブログなどの合格体験記

②については、「独学するならば〇〇」などの仮定の話ではなく、実際に独学で合格した人の体験を探してください。

例えば、試験範囲は①で確認しましたが、実際に出題された問題には偏りがあるかもしれません。

また、複数の体験談に共通する「教材」や「勉強方法」があるかもしれません。

少し戦略的な考え方かもしれませんが、①が建前②が本音のケースも存在します(特に相対評価の試験で起こり得ます)。

①②で得た情報の整理

例えば、社会保険労務士試験において、勉強が必要な範囲、勉強方法、勉強期間、使用する教材を整理したものが下の図です。

スケジュール管理のイメージ図

ブログ記事を書くために整理した図なので詳細まで記載していますが、紙に簡単な図を書いたり、箇条書きで整理しても構いません。

この時点で、「何を」「いつまでに」「どのような方法で」勉強するのか(スケジュールの全体像)が把握できるでしょう。

スケジュールは全体から詳細へ定量的に作成する

スケジュール

勉強が必要な範囲を確認し、勉強方法を決めたら、いよいよスケジュールを立てます。

先述のとおり、まずは1週間の仮スケジュールを作成し、自分の実行力を確認します。

そのため、365日1日単位で詳細に立てなくてもOKです。

ただし、1週間の仮スケジュールについては、1日あたりの勉強量と勉強時間は明確に設定してください。

必要な勉強量と勉強時間を、1年  ⇒ 半年 ⇒ 1カ月 ⇒ 1週間 ⇒ 1日 のように「大 ⇒ 小」の流れでおおまかに割り振って、各期間のスケジュールとするイメージです。

1週間のスケジュールは、「1日△時間で〇〇ページ」のように定量的に具体化します。

スケジュールは管理しながら実行する

勉強のスケジュールを立てたら、実行(勉強)します。

スケジュールを実行する際には、勉強の進捗状況を定期的に管理してください。

STEP.11週間の実績から実行力を把握する

先ずは1週間の仮スケジュールで、自分の実行力を把握します。

STEP.2スケジュールの継続または変更を意思決定する

1週間の仮のスケジュールをこなせたならば、その調子で進めていきましょう。

「勉強してみたがスケジュールに無理がある…」などの場合は、無理せずに修正しましょう。

少し厳しい言い方ですが、勉強を始めて1週間で無理がくるスケジュールは、気合いでどうこうのレベルではありません(無理をして体調を崩さないためにも再考が必要です)。

STEP.3当初のまたは変更したスケジュールに沿って勉強を継続する

スケジュールを一度立てたら無理にでも押し通すのではなく、勉強する目的が達成できるかでスケジュールを修正します。

勉強時間の管理だけでなく、例えば、合格するためには、当初の計画に無い「新たな教材」が必要になることも考えられます。

当初のスケジュールに追加したり、または当初のスケジュールを短縮して必要な時間を確保します。

STEP.4試験日まで繰り返す

スケジュール管理をルーティン化できれば、「勉強する」というタスクに集中できます。

文字通り、試験日までスケジュールを管理して勉強するだけです。


スケジュールを計画どおりこなすためのコツ

スケジュールを修正する人

独学は性質上、自己管理が大切なため、計画どおりにスケジュールを進めるポイントを紹介します。

  • 予備の日を設定する
  • スケジュールは定量的に修正する

予備の日

「自分の限界 = 計画」としないために、1か月に1、2日程度の「予備」の日を組み入れます。

その名のとおり「予備」なので、体調管理などの調整に使用して構いません。

なお、「予備」の日を使用しないときのルールは事前に決めておきます。

例えば、「復習の時間とする」や「自由に使う」などです。

定量的な修正

スケジュールを立てたものの、思い通りにいかない場合は起こりえます。

例えば、「問題を毎日10問解く」とスケジュールを組んだとします。しかし、現在、猛烈に眠く身が入らない状態です。

「もうダメ…今日は休む」と決めたなら、その日の勉強量(10問)を翌日以降に按分(例えば、翌日以降の5日間の勉強量に各2問ずつ追加)します。

今日はゆっくり休み、翌日以降は「修正されたスケジュール」を計画どおりに実行です。

なお、「翌日に20問解いて挽回する」はお勧めしません。おそらく2日分の勉強を1日でこなせるほど余裕のあるスケジュールを組んでいないでしょう。

休む時点で計画を修正

修正されたスケジュール」には、「休んだ日の勉強量」が反映されているため、実行できれば休む前と結果は変わりません。

また、勉強量を可視化してから休むため「ノーリスクでのサボり」を防止する効果も期待できます。

ただし、修正を繰り返すと1日の勉強量が増えるため、スケジュールが崩れ計画が詰む可能性があります。

そのため、「合格する」という本来の目的を達成できるかを1か月に1度は確認し、進捗管理をしてください。

独学のスケジュールを立てるものの、長続きしない人は「予備の日の設定」と「休む際は、翌日以降のスケジュールを定量的に修正する」を試してみて下さい。

まとめ

スケジュール管理ができれば「勉強する」という本来の目的に集中できます。

一定の余裕を保ちつつ勉強を継続できれば、合格に近づくことでしょう。

独学で挑戦する際は陰ながら応援しています。

最後までお読みいただきありがとうございました。


(参考資料等)

・厚生労働省|生産性&効率アップ必勝マニュアル・マネジメント手法」|PDCA サイクルとOODA ループ|https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/seikatsu-eisei33/index_00009.html