独学で簿記3級に一発で合格できたため、「簿記2級もいける!」と考え挑戦しました。
ちなみに、簿記2級に一発で合格した後は「いける!」がさらに増したため、独学を続け、簿記1級(日商)にも合格しています。
この記事では、素人が簿記2級に独学で合格した際の勉強方法を紹介しています。
簿記2級はネット試験がおすすめ
公式サイトによると、ネット試験とペーパー試験を比較した際の出題範囲や問題の難易度は、同じ(違いはない)とされています。また、「合格」の扱いも同じとされています。
ペーパー試験は1年に3回の開催で、曜日は日曜日に固定されています。そのため、スケジュール調整がよりし易いネット試験がおすすめです。
簿記3級をネット試験(CBT)で合格した方なら、簿記2級もネット試験で問題ないでしょう。
勉強方法の概要
インプットはYoutubeの講義動画を利用し、アウトプットは市販のテキストと問題集を使用しています(市販のテキストは、動画で勉強した内容の復習と例題を解くために使用しています)。
受験当時は全ての動画を無料で視聴することができました。現在(2024年2月)は、商業簿記の一部がメンバー限定動画となっています(工業簿記は全て無料です)。
具体的には、200%定率法、圧縮記帳、保証債務、連結会計、税効果会計はメンバー限定動画です。
以降は、インプットとアウトプットに分けて、実践した勉強方法を紹介しています。
メンバー限定動画を利用するか、市販のテキストなどで勉強するか はご自身の判断でお願いします(私見ですが、連結会計が悩みどころになるかと)。
インプットの手順
簿記3級でもお世話になった【簿記系YouTuber?】ふくしままさゆき さんの動画でインプットします。
※以下、ふくしまさんの動画と略しています。
次の5ステップで動画を視聴しました。
- 商業簿記の再生リストの1と2の動画を視聴
- 工業簿記の再生リストの「基礎17本」を視聴
- 商業簿記の再生リストの3~33までを視聴(メンバー限定動画あり)
- 連結会計の再生リストの1~10までを視聴(1以外はメンバー限定動画です)
- 工業簿記の再生リストの残り(基礎17本以外)を視聴
おおまかな流れは、工業簿記 ⇒ 商業簿記 ⇒ 連結会計の順です。
各ステップの内容を簡単に紹介します。
商業簿記の再生リストの1と2の動画を視聴します。
この2つは、簿記2級の勉強を進めるためのガイダンス動画です。
再生リストの1の動画は勉強方法の解説、リストの2の動画は簿記2級の損益計算書と貸借対照表の形式を解説しています。
簿記3級と比較すると、簿記2級では財務諸表の形式が変わります。問題を解くうえで前提となる知識です。無料ですし、テキストを使って勉強するにしても初めに学んでおいて損はないでしょう。
「基礎」17本の動画には、タイトルに①〜⑰の丸数字が入っています(再生リストの順番ではありません)。
「1つの講義を完璧に理解してから次に進む」ということはせず、動画内の解説を6〜7割理解できたら先に進めました。
工業簿記は、個々の仕訳を覚えて総合問題を解く(小から大に向かうイメージ)よりも、勘定連絡図の全体像を把握してから個々の計算方法を理解していく(大から小に向かうイメージ)でインプットしています。
ちなみに、一般的な工業簿記のテキストと異なり、「部門別計算」を⑰として最後に解説しています。
部門別計算は「自分は今、何を計算する必要があるのか」がわかりづらいです。責任会計という理論の勉強(発展)もあり、工業簿記の中でも難所なので最後に視聴すると良いでしょう。
商業簿記の再生リストの3~33までを視聴します。再生リストの3番から順に勉強する流れで問題はないでしょう。
ただし、筆者が独学したときと異なり、メンバー限定動画が5本あります。
私見ですが、受験当時に購入したテキスト(みんほし)とメンバー限定動画を比較すると、「税効果会計」はふくしまさんの動画を視聴しなければ理解が難しかったと思います。
税効果会計は、問題を解くために仕訳を覚えるだけなら難しくはありません。一方で、理屈というか概念の理解は簿記2級の試験範囲の中でも難所です。
メンバー限定動画では、税効果会計の概念を解説しています(限定動画なので詳細には触れません)。
テキストで行き詰った際は、一時差異の「発生」ではなく、なぜ「解消するのか」の視点で理解を試みて下さい。
連結会計の再生リストの1~10までを視聴します。ただし、1以外はメンバー限定動画です。
そのため、選択肢は、①ふくしまさんの動画で勉強する、②他の教材(市販のテキスト、無料で学べるウェブサイトなど)で勉強する、③連結会計を捨てる になります。
①であれば、再生リストの1から順に視聴する流れです。
ただし、連結財務諸表、連結精算表の作成も試験範囲となるため、何かしらの問題集で実際に問題を解くことが必要です。
筆者は10本の動画を視聴した後に「連結会計なんとかなりそうだな」と思ったので、試験日を1カ月後に設定してネット試験の申し込みをしました。
②であれば、ご自身で用意した方法で勉強を進めて下さい。
③はあまりお勧めしません。
連結会計は理解するまで時間はかかりますが、問題のパターンは多くはないです。そのため、解き方を自分で確立すると、安定して得点を稼げます。また、のれんの償却など、部分点を狙いやすい分野です。
なにより、連結財務諸表の作成など、総合問題として出題されたときには、不合格となるリスクが高まります。
参考|連結会計を無料で学べるサイトの紹介(外部サイトへのリンク)
いぬぼきさんでは、連結会計に限らず簿記2級の試験範囲を学べます。図解が多く、無料で利用できるため、試験勉強に係る費用をできるだけ抑えたいときは参考にしてみてください。
工業簿記の再生リストの残り(基礎17本以外)を視聴します。
動画のタイトルに⑰などの丸数字が入っていないものが「基礎以外」です。
基礎よりも細かい論点や発展的な内容となっています。そのため、状況に合わせて「基礎」に戻り復習すると良いでしょう。
勘定連絡図の全体像をひと通り勉強した後なので、一度目の視聴(ステップ2)に比べると理解し易いはずです。
インプットは以上です。
アウトプットの手順
ここからはアウトプット中心の勉強です。
使用するのは、市販のテキストと問題集、無料の模擬試験です。
日々の勉強時間は、商業簿記(60分)工業簿記(30分)の合計90分を1セットにして配分しました。
手順は、次の3ステップです。
- 市販のテキストの例題、章末の確認問題を解く
- 問題集を解く
- 模擬試験を繰り返す
アウトプットの方法は、あまり深く考えなくとも似たような内容になるかと思います。
参考までに、各ステップの内容を簡単に紹介します。
市販のテキストの例題、章末の確認問題をできるだけ連続で解きます(テキストを読む⇒問題を解くではなく、問題を解くを連続で行います)。
ポイントは、例題を解く前にテキストの本文を読まないことです。「テキストを読んだ直後」でなくとも問題を解けるかで、インプットの精度を確認します。
例題レベルが解けなければ、インプットが足りないので直ぐにテキストの解説や本文を読み、知識を補います(場合によっては再度、動画を視聴します)。
なお、理解している範囲まで一律に読む(観る)必要はありません。
問題集を特に限定しませんが、テキストと同じシリーズで揃えるのが一般的かと思います。
問題集の解説を読んでも理解できない場合は、動画やテキストで知識を補います。
第1問の仕訳問題は試験本番でも落としたくないので、全て正解できるレベルまで仕上げたいところです。
第2問は、不得意な分野も出てくるかもしれません。時間さえあれば、出題パターンを覚えるという方法もありますが、なかなかそうもいかないでしょう。
試験日までの時間によっては、苦手分野は「部分点を狙う」と割り切ることも必要です(合格してからも勉強はできます)。
第3問は、財務諸表の作成などの総合問題です。問題を見たときに自然と手が動くまで練習したいところです(やるべきことがパッと浮かばない状態なら練習不足かもしれません)。
簿記2級は、第4問、第5問の出来が合格を左右するといっても過言ではありません。工業簿記は基本的な問題が少なくないため、得意分野を延ばすよりも苦手分野を作らない戦略が有効です。
大手スクールでも無料で模擬試験を提供しています。
「簿記2級 模試 無料」で検索すると上位に表示されると思うので探してみてください。
模擬試験は「1度解いたら終わり」ではなく、制限時間内に解けるまで繰り返し解きます(理解していても解けないと合格できません)。
プロが作成した試験を無料で受けられるため、時間が許す限り、数種類の模試を受けて練習してください。
以上、筆者が実践した簿記2級の勉強方法の紹介になります。
当記事が「合格までのイメージ」の構築に役立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。